地図で見てみよう。今いるここ(黄色)は「伊丹32Lエンド」(通称千里川土手)と呼ばれる場所で、滑走路のギリギリ手前に位置する。そして青線は伊丹に着陸する飛行機の進入ルート。ちょうど千里川土手の直上にあたる。
そのため、着陸数秒前の飛行機を真下から見上げることができるのだ。こんな場所自由に入れてええのか。しかもこんな素敵なスポットが大阪にあるなんて!
ガアアアアアアアアアアアアアアアア
飛行機が近付くとジェットエンジンの爆音と強風が吹き荒れる。しかも伊丹は国内有数の基幹空港。平日の昼間なのにいろんな形の飛行機が次々やってくる。
バイクでたそがれているお兄さんの頭上を一瞬で通過した華奢な飛行機。エンジンの位置が特徴的だ。飛行機は真下から見るとすごく尖って見えることが発覚。飛行機は専門外なので機種名はどれも分からないけど、ANAでも青色の通常塗装の他にスターアライアンスのロゴがデザインされた機種があったり、JALなのに緑色のエコジェット(前ページ最後の写真)が来たりとか、色々違いがあって面白い。
その上、心強い人が近くにいてくれた。
リュックを背負ったお兄さんが持っているアンテナみたいな物をご覧ください。これ、何かと思ったらどうやら無線受信機。管制塔の無線を傍受しているのだ。
「お兄さん、超デカいやつ来ますわ。定刻だと16時ちょうどに。」
えっ本当ですか!
「沖縄から飛んでくる○○(機種名)。伊丹で二番目にデカいよ。」
「大型機着陸しまーす!強風にご注意くださーい!」
間もなくそれは姿を現した。
キキキズザーーーーー
この人凄い。周りの人からも盛んに質問攻めにあっていた。飛行機オタの世界は奥深いもので、ダイヤを丸暗記している人もいるらしく尊敬する。
そういやここで飛行機を見ている最中、年配のおじいさんおばあさんの集団がやってきた。市民のハイキング企画かと思ってほのぼのと見ていたら、全員一斉に一眼レフを取り出し始めた。コントか!
飛行機オタは年配の方も多い大人の趣味だ。もちろんここには飛行機オタだけじゃなく、先ほどのバイク青年やカップル、家族連れ…といろんな人が見に来ていた。
みんな飛行機を見に来ている人
また、ここでは着陸する飛行機以外にも、離陸に向けて滑走路を移動中の飛行機も見渡せる。
離陸に向けて滑走路にゆっくり進入中
ああ、これは飽きない。飛行機を見ていただけなのに気付けば三時間経っていた。
実を言うと千里川土手に来たのはこの時で二度目。初めて訪れた時は強風で、大型機が風に煽られまくっててフラフラしていた。乗っていたら相当怖そうだ。また夕刻の到着ラッシュだったらしく、着陸態勢の飛行機が三機一直線に並んでいるのが見えた。伊丹の高密度ダイヤは神。これで事故が起こらないのはすごい。
■追記(2016.10.8)
この記事を初めて公開したのは2009年秋。JALの塗装が旧ロゴなのでお気付きの方もいるかと思う。2012年のLCC(Peach)登場後、自分も飛行機によく乗るようになり関心が深まったので、千里川にはあれから何度も訪れている。そんな中、2014年に行われたジャンボジェットの「伊丹空港里帰りフライト」で見掛けたもの凄い人出は特筆に値する。
ボーイング747が伊丹に里帰りするのを見に来た大勢の人
飛行機もこの場所も、たくさんの人に愛されている。
(修正加筆し再公開 / 初出2009.10.16)
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