路面電車に乗って、長崎港にやってきた。
軍艦島クルーズなんて物好きの人いるんかな…。
予約してるのなんて俺だけで、出航無くなるんちゃうか。
そう思っていると。

「ただ今から軍艦島クルーズのチケットを発売します～」
港に響き渡るアナウンス。意外にオープンのようだった！！
券と引き換えの為に住所を書くと、おばちゃんはびっくりしていた。
ええ、大阪から来ましたわ。

この物好きなクルーズに参加するのは12,3人いた(^^；
親子連れ、一人旅、さらにカップルまで。

船は中型船だった。港に停泊してるのに結構揺れる。
昨晩、独りカラオケで徹夜したから酔わんか心配や。
出航してまもなく、他の客と共にデッキに出た。

長崎港の周辺は造船所だらけ。
ここは日本有数の造船地帯であり、
三菱の造船所では戦時中、戦艦も建造していたんだって。

今日の海は穏やか。
港を出てからしばらくして…

デッキの視線が前方に集まった。
見えてきた。

軍艦島っていうのは通称で、正式名称は端島。
海から島を眺めると、当時の戦艦「土佐」に似ているために
軍艦島と呼ばれるようになったらしい。

かつては小さな岩礁だったが、石炭の発見によって
人が住み始め、三菱経営の炭坑島になった。
最盛期には世界一の人口密度を誇った。

しかし1974年、鉱山の閉山で住民全員が離島。
無人島になった。今年（2004年）で30年か…。

船はゆっくりと島に接近していった。
真っ先に目に入ってくるのは、
長崎の小さな島に建てられたとは思えない
でかい建物。

端島小中学校の跡です。
学校の校舎なのに7階建て。
それほど生徒数が多かったのだろう。
もちろんエレベータなんてついてない。

ちなみに島内の建物には番号が付けられている。
1号棟から71号棟まで。
そのほとんどが住宅やというから、
どれだけすし詰め状態だったか分かると思います。

学校横の65号棟。10階建て。
建物の左よりの部分が少し出っ張っているのは、
エレベータが入る予定だったかららしい。
でも、人口が多すぎてその部分も
住居スペースになっちゃった。

10階には幼稚園・保育所があった。

この島の周辺は海がよく荒れるので、
防波堤によって守られている。

しかし度重なる台風や大波によって、
削られてしまっている。
内部が剥き出しだ。

ちなみに防波堤の高さはこんなもんです。
左下の釣り人と比較するとどれ程高いか分かるでしょう。
落ちたらどうなるかな。

この軍艦島は、釣人の間じゃメジャーなようで、
釣り雑誌に丁寧に紹介されてたりする。
ハシゴまであるし…

（注：島内は立入禁止です）

大正７（1918）年に建てられたもの。
９階建て、もちろんエレベータなんてなし。
さらに言えば、ぼっとんらしい。
迫力すげぇ

写真はないけど、軍艦島には国内最古の
鉄筋コンクリート建築・30号棟がある。
大正５年に建てられて、現在は倒潰寸前らしい。

島内で唯一現役のもの。
端島灯台。
島が無人島になってから建てられたらしい。

軍艦島は元々、わずかな岩盤だけしかなかった。
それが炭坑の発見とともに埋め立てられて、
軍艦へと生まれ変わっていったんだって。

この日は波がないほどの穏やかな日だったが、
荒れる時は凄まじいようだ。
桟橋は何度も流されたらしい。

島内には神社もあった。
蝉の声はここから聞こえたんでしょうね。
島内で緑が見られる貴重なところ。

そろそろ一周。
端島小中学校の裏手が見えてきた。
島外からじゃ分かりませんがこの建物は、
波によって基礎が剥き出しになってるそうです。
いつ倒壊してもおかしくないとか…

この屋根が黒く錆付いてるような建物は体育館。
10数年前ACのCMに登場したらしくて、それによって軍艦島に
上陸した人が増えたとか。俺も見たけどあれは冒険心を（略

二階に体育館、一階には武道場と給食センターがあった。

真新しいコンクリートの階段。
ブロックも白く輝いてたし。
この辺は一応整備されてるみたいやね。
でも建物も崩壊する前に何とかして欲しいな…

一周した。
この島は広くない。
歩いても20分くらいあれば一周できるらしい。
この小さな島が世界一の人口密度を誇ったとは…。

この角度から見ると一番軍艦ぽいって。
まさに軍艦や…。カッコええ。

大きい画像を無くしちゃった。

俺らの船が軍艦島を後にした時、
小さなボートが猛スピードで軍艦島の方に向かっていった。
怪しいな(^^；

上陸したかった…。
見る方によっては退屈な写真ばかり続いたかもしれません。
軍艦島は上陸禁止ですが、年々落書き犯や破壊犯によって
人為的に破壊されています。
手遅れになる前に、対策してほしいな…。